- 時計が止まる!
- クォーツ ウォッチの場合
- ムーヴメントに入り込んだゴミが歯車に挟まったりしている場合があります。
この場合は分解掃除(オーバーホール)をすれば直ります。
(クォーツウォッチの運針する力は非常に小さいので、目に見えないようなゴミでも影響があるのです)
回路やコイルなどのIC部品の不具合=強い衝撃などで破損する場合があり、分解して様々なテスターなどで不具合個所を特定して交換します。
他に、衝撃による歯車の変形や水分の侵入により金属部品が錆ついて歯車が回らなく場合もあります。
放置しておくと錆の進行や電池漏液などで被害が広がる事も・・・・いずれも早めのオーバーホールをお勧めします。 - 手巻・自動巻の場合
- ムーヴメントには沢山の歯車があり、それぞれの軸には専用のオイルが塗布されています。
そのオイルが乾いて固まったり、歯車の回転によって飛び散り、軸が摩耗して動かなくなると輪列全体が止まります。
また、飛び散ったオイルがムーヴメント全体を汚すことになり、これも止まりの原因になります。
いずれの場合もオーバーホールすることで殆ど解決します。
また、しばらく使っていなかった時計を使うときは、止まった状態から軽く振っただけでは動力となるゼンマイが十分に巻き上げられず、気がつくと止まっていたという事もあります。
腕につける前に充分に振って頂くか、手巻き機能のある自動巻き時計の場合は30回ほどリューズを巻いてからのご使用をお勧めします。
- オーバーホールの時期は?
- 時計が止まる原因でもお話ししましたが、時計のムーヴメントにとって汚れやゴミは大敵です。
オイルや各種パッキン類も3~5年で劣化し始め、ムーヴメントの汚れや水分の侵入などが起こりやすくなっていきます。
やはり、ご使用から3~5年が一つの目安としてお勧めします。
- 時間が遅れる
- クォーツ ウォッチの場合
- 電池寿命ではなく、IC回路の不具合・機械部品の汚れ(ゴミ入りや油乾きなど)・一時的に強い磁気の影響を受けた場合 に大別されます。
オーバーホールや専用の機器で磁気を消去することで殆ど解決します。 - 手巻・自動巻の場合
- 多くは歯車の油切れ・乾きや、噛み合うことによる摩耗などで機械部分が汚れる事や、更に水分による錆などで歯車全体の駆動が重くなったり不安定になる事が原因と思われます。
また、機械式時計も一時的に磁気の影響を受け遅れる事があります。
クォーツウォッチ同様 症状が出たら早めのオーバーホールをお勧めします。
- 時間が進む
- クォーツ ウォッチの場合
- 運針が正常で大きく進んでいる場合は「交流磁気」の影響が考えられます。
- 手巻・自動巻の場合
- 落下などの強い衝撃によって心臓部である「ヒゲゼンマイ」が変形している可能性があります。
この場合、オーバーホールによってヒゲゼンマイを修正すると同時に他の部分のチェックを行います。
- 「磁気」って?
- 磁気には特性によって2種類あります。
その影響は・・・- 直流磁気
- 簡単にいうと磁石です。ハンドバックなどの留め金具・健康用品・携帯電話などに多く、金属部品を磁化させ磁界が強い時は残留します。
- 交流磁気
- 一般家庭ではコンセントに差し込んで発熱や回転させるといった家電製品の殆どが磁界を発生させています。 離れてしまうと殆ど残留しないのが特徴です。
- いずれも磁界から離れると正常に運針しますので針を合わせ直して下さい。
ただし、強い残留磁気が有る場合は、小さな磁界に接しただけでも一時的に止まる事がありますので、「脱磁」という作業が必要になります。
- 時計のガラスが曇ったけど・・・
- 防水時計であってもガラスやリューズ・裏ぶたのパッキンの劣化により時計の密閉性が劣化し汗などの水分が侵入したことで起こります。
他にリューズのパイプの付け根が錆で腐食して汗が毛細管現象で侵入して起こる事も多くあります。
放置しておくと劣化の症状が進み、いずれ内部への水入りとなり、時間の経過とともに金属部品の錆・時計の止まりへと悪化していきますので重症となる前になるべく早く点検したほうがいいでしょう!
- 時計の防水性って?
- 大きく分けると・・・
- 日常生活用防水
- 3気圧・3BAR・3ATM・3H2O・WATER RESISTANT、WATER PROOFなどと表記されます。
洗顔など「水がかかる」程度の防水性です。 - 日常生活用強化防水
- 5気圧~20気圧
水仕事やスポーツなどのご使用に耐える防水性です。 - 潜水用防水
- 100m~1000mと国内のJIS規格では「メートル」で、ISOでは「diver's watch Lm」等と表記されます。
ボンベやヘリウムガスを使っての潜水用です。
- 汗・水・特に海水がついたまま放置する。
- 入浴(石鹸等はパッキンの劣化を早め時計内部に入水しやすくなります。)
- 温泉(金属を変色・腐食させる成分が含まれているので外して下さい。)
また、裏ぶたやリューズ回りなどがサビて腐食してしまうと、初期の防水性が維持できなくなることがあります。
中には修理不可能となる場合もありますのでお手入れは怠らない事です。
- リューズが取れちゃった!?
- 強い衝撃でリューズが折れて外れてしまう事があります。
リューズだけが折れた場合はリューズと、内部に繋がる「巻真」という芯棒の交換で直りますが、巻真ごと抜けている場合は機械内部を破損している場合が多く、この場合はオーバーホールが必要になります。
いずれの場合も、リューズが付くべきパイプ部分からの水分・ゴミ等の内部への侵入が考えられますので、なるべく早く点検させて下さい。
- 埃の多い所での仕事やアウトドアで水や土などに触れることが多いと時計は短期間でオーバーホールが必要になるの?
長く使うための注意点は? - 第一に、汗をかいた時やご使用後は裏ぶた回りとリューズ回りの水分を乾いた布などで拭き取り、なるべく空気にあててやって下さい。
また、時々リューズを空回りさせてリューズ回りについて固まってしまった汚れを落として下さい。
こうすることで表面を空気にあてて錆を防ぎます。
(ステンレスであっても酸欠状態が続くとサビるのです)
磁気製品にはよく注意して極力近づけないで下さい。
保管するときは、湿気がなく近くに磁気ネックレスなどの磁気製品がないところへ。
これだけでも時計のコンデションはかなり良くなります!